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団長として目指すのは 信頼と協力のハーモニー。

「しばすい」団長 工学部機械工学科 2年
一ツ山 萌仁さん

「しばすい」の正式名称は、「芝浦工業大学文化会交響吹奏楽団」。学部生から大学院生まで約70名のメンバーが所属して、定期演奏会をはじめ学内行事やクリスマスなどのイベント、学外からの演奏依頼を中心に活動しています。楽団として入場料を取れるほどのレベルには達していませんが、みんなで頑張って磨き上げた音は、多くの聴衆を感動させる力を持っていると自負しています。
芝浦工業大学に「しばすい」という楽団があるのは入学前に確認していたので、オリエンテーションを受けるためにキャンパスへ向かうバスの中からメールで入団の申し込みをしました。すぐに当時の団長から返信が届き、私は大学生になると同時に、「しばすい」の団員になったのです。その時には、まさか7カ月後に団長に就任するとは夢にも思いませんでした。

私は中学生の時に吹奏楽部に入り、それ以来ずっとトロンボーンを担当しています。入部した時に、偶然、奏者の席が空いていたからという安直な理由で始めたトロンボーンですが、すぐにその魅力の虜になりました。吹奏楽器は自分の息を使って音を出すので、声と同じように豊かな感情を表現できます。特にトロンボーンは同じポジションでも、吹き方によって出る音が変わる。指で押さえて決まった音が出る楽器とは違う、独特の面白さと奥深さがあります。
メンバーをまとめて公演の準備を推進し、外部との折衝を行うのが団長の主な仕事。難しいのは、メンバーの演奏に対するモチベーションを上げることです。音楽に向き合う熱量には一人ひとり差があるため、そこを信頼関係で埋められるように努力しなければなりません。練習に出るのは面倒だけど、一ツ山団長があんなに頑張っているなら顔を出してみよう、と思ってもらえるように部員同士のつながりを重視しています。もちろん個々の演奏技術の向上は大事ですが、他のメンバーや指揮者への信頼と協力がなければ演奏会は成立しません。それを醸成するのが団長の大切な役割だと考えています。
私はもとから人とコミュニケーションを取るのが得意なタイプです。「しばすい」の団長を務めたことにより、さらにコミュニケーション能力に磨きをかけて、自分の強みにすることができました。団長として大勢の意志を1つにまとめる経験は、他では得られない貴重なものです。コミュニケーションを通じて人間関係を深めていくスキルは、就職後の仕事や私生活にも役立つでしょう。これからキャンパスライフを送る後輩には、「しばすい」に限らず部活に入ることを勧めます。興味の対象が同じ仲間と過ごす時間は楽しいし、同じ学科の友人たちとは違うコミュニティを持てるからです。
将来は、好きな音楽と工学の両方を生かせる音響工学の仕事に就きたいと思っています。自分の技術とアイデアで、最適な音響空間を実現するのが夢です。