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JAXAへの内定は、 夢を実現するための第一歩。

 

 

初めて宇宙に関わる仕事に就いてみたいと思ったのは10歳の時でした。小惑星探査機「はやぶさ」が、地球に帰還したニュースを見たのがきっかけです。201512月には、金星探査機「あかつき」が6年越しの挑戦で金星周回軌道に入ることに成功しました。当時、高校生だった私は、その軌道計算をしたJAXAの廣瀬史子さんが高校の先輩であることを知り、2週間後に都内の大学で開催された講演会に行ったのです。直接お会いできる機会は二度とないかもしれない。そう考えた私は講演を終えた廣瀬さんを追いかけ、宇宙が好きだけれど物理の成績が良くないし、母からは反対されている事を話しました。すると廣瀬さんは、宇宙につながる道はたくさんあるから、あなたが好きなら目指すべきと答えてくださり、その瞬間にJAXAへの就職を決意したのです。この時、勇気を出して廣瀬さんに声をかけなかったら、母に勧められた薬剤師の道を選んでいたかもしれません。

学部では惑星表面を掘削する技術を研究し、大学院に進んでからはローバ(惑星探査車)の車輪の駆動力を効率よく引き出すための研究に取り組んでいます。修士1年の8月から翌1月にかけて、ポーランドにある協定校にトビタテ!留学JAPAN(文部科学省の留学支援プログラム)を利用して留学しました。その大学を選んだのは欧州宇宙機関ESA等が後援につく火星探査車のコンペティションで1位になったことを知ったからです。留学中は本当に楽しく過ごせました。コンペティションに参加しているチームには、大手のスポンサーが何社もついています。留学中に世界のトップクラスの学生が集まるコンテストを見る機会に恵まれ、研究に対するモチベーションが大きく上がりました。これからの宇宙開発を担う人たちとコミュニケーションがとれるように、技術と英語力を磨きたいと思いました。留学して就職活動のスタートが遅れましたが、ポーランドからオンラインで女子学生向けの会社説明会に参加させてもらったり、面接の練習やエントリーシートの添削を受けたり、キャリアサポート課の手厚い支援には感謝しています。採用試験を受けたのは第一志望のJAXAを含めて3社です。内定の通知をもらった時は嬉しかったけど、これで夢を叶えたわけではありません。JAXAへの就職は10年以上かけて計画したステップの1つであり、私の夢はまだはるか先にあるのです。今、人類を再び月面に送るアルテミス計画が進んでいることから、NASAは日本が開発しているローバに期待を寄せています。私の研究がローバに生かされて、月や火星の探査に貢献できたら、この上ない喜びです。将来的には、宇宙の魅力や可能性を多くの人に伝えて、日本の宇宙開発のサポーターを一人でも増やしたい。「応援してもらえる宇宙開発」を定着させることが私の夢です。