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生徒が成長する喜び感じながら、自らが目指す教員像へ。

工学部 情報工学科4年 八嶋 ひより さん 工学部 応用化学科4年 中島 梨胡 さん

高校で情報の教員になる八嶋ひよりさんと、高校で理科の教員になる中島梨胡さん。春から教壇に立つ2人に教職課程での学びについてお話しいただきました。

八嶋:私は教職課程を履修しながらインターンシップなどにも参加し、一般企業への就職も視野に入れていました。しかし、自分が熱中していけそうな仕事に出会うことができず、楽しかった思い出のある学校という環境で働きたいと考えました。

中島:中学生の頃の数学の先生がとても分かりやすい授業をしてくれる方で、そのおかげで数学が得意になりました。友達に教えることもあり、それを楽しいと感じていたので自分には教員が向いていると考えました。

八嶋:教職課程では主に教えることについて学びます。私は模擬授業で板書しながら黒板を向いた状態で説明してしまう癖があると注意をされました。基本的なことですが、黒板にチョークで文字を書くのも結構難しいですよね。

中島:誰もいない教室で板書する練習をしたのを覚えています。私が指摘されたのは教壇に立った時の言葉遣いです。教育実習で感じた難しさは、計画通りに授業が進められないことです。分かりやすさを追求すると時間がかかるし、進行を優先すれば生徒の理解度が下がります。

八嶋:授業中、生徒が問題を解いているときには机間巡視をして、一人ひとりがどれだけ理解しているかの確認をします。

中島:それまでに教えた内容をあまり生徒が理解していないようだったら、再度時間をかけて説明するなどしなければいけません。

八嶋:生徒は初めてその内容に触れるわけなので、予想外の質問が来ますよね。こちらの対応力が試されます。

中島:理科で難しい現象を説明する場合は、タブレットを利用します。例えば、気球が浮く仕組みを説明するのに、実物は使用できませんよね。そういった時は動画で視覚的に理解してもらうのが一番です。

八嶋:私は数学の教員免許も取得したのですが、立方体の面積を求めるときも、教科書を見て考えるよりも立体的に見えた方がイメージできます。ICT*を活用した授業は、教育現場の常識になっています。

中島:理解をしてもらうという点において、視覚的に説明するという手法はかなり有効ですよね。特に理科は言葉だけで説明するのが難しい内容もあるので、実験を多く取り入れた授業がしたいと考えています。

八嶋:私は新しい内容に入る際の導入を大切にします。情報の授業で例えると、いきなり「知的財産とは〜」と始まっても生徒はついてきません。実際に起きた事例などを取り上げることで興味を引きつけます。

中島:先生が楽しそうに教えることも大切です。教職課程の担当教員である牧下英世先生はニコニコしながら黒板に数式を書いています。学生との距離感が近く、授業の空気をつくるのが上手です。

八嶋:牧下先生の授業はいつも多くの会話が生まれます。先生から学生に一方的に行う授業ではありません。理解していない学生に、絶妙なヒントを与えるところも流石です。

中島:私も生徒との関係性を深めていきたいです。教育実習で「中島先生が教えてくれたところが、今までで一番良い点数が取れた」と言われた時は嬉しかったです。また、最近の生徒は悩みが多様化しています。学習面だけでなく、私生活や生徒間の悩みにも寄り添えるような、コミュニケーションの取りやすい教員になりたいです。

八嶋:少し学力差があるなと感じていた生徒が問題に正解し、「今回の内容はできるかもしれない」と言ったときはやりがいを感じました。生徒のことを一番に考え、教員の立場から学校を最も楽しい場所に変え、日常生活においても喜びを感じながら過ごせるようにサポートしていきたいです。