インタビュー
夢の舞台を駆け抜けた箱根駅伝。次こそはチームとしての出場を果たしたい。
システム理工学部 環境システム学科4年 橋本 章央 さん
駅伝部は箱根駅伝への出場を目指して活動をしています。ほとんどの部員が大宮キャンパスの近くにある駅伝部専用の学生寮「白亜寮」で生活し、寝食をともにしながら絆を深めています。毎年10月にある箱根駅伝の予選会が、年間を通して私たちが目標としている大会です。ここにチームとしての調子を一番良い状態へと上げるために、夏休みには岐阜県の御嶽山や北海道の斜里町などで合宿し、都心の暑さから逃れ、質の高い練習をしています。また、日々の活動においては学業との両立を重視しており、全体練習は午前6時から開始する朝練のみとし、それ以外は少人数または個人での練習を行うことになっています。箱根駅伝を目指す大学の中で、芝浦工業大学ほど文武両道を徹底しているチームは少ないと思います。私は1、2年次に苦労しました。部活と学業との両立を図るために睡眠時間を削ってしまい、それが原因で怪我をしたことがあります。計画的に生活を管理できるようになったのは3年生になってからです。箱根駅伝にチームとして出場するためには、一人ひとりの自己管理が欠かせません。
私は昨年の予選会で好成績を収め、今年行われた箱根駅伝で関東学生連合チームとして個人出場を果たしました。ここ数年の箱根駅伝はコロナ禍による自粛ムードの中で行われていましたが、今年の大会は沿道にたくさんの観客が戻ってきていました。自身が担当する区間は予選会のタイム順で選べ、私は通称「山登り」と呼ばれる5区を選択。これは私が元々上り坂を得意としていたことと、亡くなった高校時代の恩師との「必ず箱根駅伝で山登りを走る」という約束を果たすためです。中学校に入ってから陸上を始めた私は、高校で辞めようと考えていました。そんな私に駅伝の楽しさを教えてくれたのが恩師です。高校では全国大会を目指して頑張ってきましたが、出走することができず、大学でこの悔しさを晴らしたいという思いで駅伝部に入りました。
大会当日は沿道からの声援を受けて走りながら、恩師との約束が果たせていると実感しました。前の走者が見えない状態で襷を受けましたが、背中が見えてからは一気にスピードを上げました。山登りは想像以上にきつかったですが最終的に2人を追い抜き、区間9位相当のタイムで完走。目標としていたタイムには及びませんでしたが、最高の思い出になりました。
箱根駅伝は次の大会がちょうど100回目になります。私にとっては出場する最後のチャンスになりますが、今年は十分に出場権の獲得を狙えるチームです。個人的にもトラックでは昨年の5月時点よりも良いタイムで走れています。あとは夏の合宿で一人ひとりが能力をどこまで高められるかがポイント。創部初となる箱根駅伝への出場と、個人的には5区で区間賞を取ることが目標です。そのために、箱根駅伝の経験者である私がチームを牽引し、体のケアをしっかりと行いながら怪我に気をつけて準備を進めていこうと思います。
※箱根駅伝:正式名称は東京箱根間往復大学駅伝競走。