インタビュー
憧れのロケットや探査機を作ることで知見を広げ、 自分の可能性を広げられる。
CanSat部門 工学部 情報通信工学科2年 板山 優汰 さん
ロケット部門 工学部 電気工学科2年 菊池 亜紗美 さん 三浦 愛祐 さん
板山 芝浦宇宙航空研究開発部(SHARXS)では33名のメンバーがロケット部門と疑似惑星探査機を作るCanSat部門の2つに分かれて活動しています。部門の中に班があって、ロケット部門であれば電装と機体と燃料の各班に分かれています。私自身は部長としてSHARXSをまとめながらCanSat部門の機体班を担当しています。
菊池 私と三浦さんはロケット部門の機体班です。私は芝浦工業大学に入学する前から、ものづくりをする部活動に入りたいと思っていました。先輩からSHARXSの話を聞いて、ロケットを作るのは面白そうだと感じたのがきっかけです。個人で完結せず、一つのものをみんなで協力して作り、大会を目指すのも部活動らしくていいですね。
三浦 私は元々宇宙が好きだったので、SHARXSは宇宙への憧れとものづくり系の部活動をやりたいという希望を満たしてくれることから参加を決めました。ロケット部門を選んだのは、新入生向けのプログラムでCanSatの制御とチョコレートの筒サイズのマーブルロケットの打ち上げを体験して、ロケットが面白かったからです。
板山 私も高校時代から機械やPCをいじるのが好きだったのでロボットや電子部品に関われることからSHARXSに参加しました。PCの中で作ったCanSatの機体が本当に動くのか、実際に部品を組み上げるまでわかりません。だからこそ、スイッチを入れて動いた時の感動は大きいです。
菊池 ロケットの機体はとてもシンプルですが、フィンの形を少し変えただけで打ち上げの結果に大きく影響します。細かいパーツの一つひとつに改良を加えながら作るのが機体の面白さです。
三浦 コロナ禍の影響で1年以上ロケットの打ち上げができませんでした。だからマーブルロケットの打ち上げに成功したときは本当にうれしかった。8月の大会では、もっと本格的なロケットを飛ばせます。今から楽しみです。
板山 CanSat部門も同じ大会に参加して上位を狙います。競技としては、気球に載せたCanSatをパラシュートで地上に降下させて、落ちた後に自走してゴールに着くまでのタイムで競います。リモートで操作できないので、落ちた後に走り出すまでが第一関門です。
菊池 ロケット部門の大会では、それぞれの大学ごとに打ち上げや機体回収といったミッションを決めて、それをクリアすることが目標になります。大会前に機体の審査があって、重量や強度の基準をクリアしなければなりません。設計上の重量よりも実際の機体が重ければ、うまく飛びません。いま、CA-3Dモデルで設計の詰めに入っています。
三浦 私と菊池さんは電気学科なので、本来はプログラムを担当する電装班です。あえて機体班で設計を担当することで、専門分野とは異なる知識や技術を学ぶ機会になっています。設計や強度のシミュレーションもやってみると面白い。自分の可能性を広げられるのも部活動のいいところだと思います。
菊池 全く知識のないゼロベースから始めて新しい分野に挑戦できたのは大きなプラスになりました。
板山 私も情報通信学科ですが、なぜか専門からは最も遠いところにあるCanSatの機体づくりを担当しています。そうした自由さもSHARXSの魅力です。部長を務めて実感しましたが自主性を尊重しながら高度なものづくりに打ち込むのがSHARXSの伝統。CanSat部門もロケット部門もまずは無事に機体を完成させて、8月の大会に出場することが目標です。